大分に秋の始まりを一番最初に伝える賀来の市仲秋祭。
一年に一度、賀来神社のご神体が柞原八幡宮に戻ってくる。
・・・と聞いてもご神体って何だろうかと全く知らなかった私には最初あまりピンときていなかった。
地元のひとによると「その名の通り神様の体だよ」と。
一体どんな姿をしているのだろうか。
想像がつかなかった。
仲秋祭初日。
賀来神社では柞原八幡宮にはたくさんのひとが集まって宮司さんたちが祝詞をあげた。
今か今かと待ち受けてついにご神体とご対面。
糸がピンと張ったような緊張感が漂っていた。
ご神体の姿は白い布に包まれた木。
その由来は様々あるらしく確かな事は分からなかったが、その布の形からは剣のような木が入っているんじゃないかと想像させられた。
ご神体が賀来に到着する頃。
大名行列が待ち受けていた。
初めて賀来の市を見た私にとってはまずその人の多さと地元の人の団結におどろかされた。
行列だけでも200人以上。
見学する人まで入れたらどれほどの人が集まっていたんだろうか。
細い路地は隙間を縫って歩くくらいだった。
地元の人で構成されている大名行列。
衣装はばっちりとそろっていて、役柄によっての所作は違うものの動きは完ぺき。
相当な時間がかかったのだろうと思う。
特に多くの人の目を引き付けたのが鳥居越え。
中学生の男の子が務める大役だ。
3か所の鳥居の前で矢傘を投げ、鳥居をくぐって落ちてきた矢傘をタッチする。
成功するまでは前進しない。
こちらまで手に汗握る瞬間だが、みんな必ず成功させる。
本当に頼もしい表情だった。
賀来の市仲秋祭。
見ている者まで大名行列のあった時代にいるような気持ちに引き込まれる。
このままずっとずっと続いていってほしいと思う。
しかし、地元の人によると賀来地区でも少子化は気になる問題だそうだ。
行列には子供たちがいなくては成り立たない。
しかし、行列で勇壮な所作を見せる子供たちの目はとても真剣で
圧倒されるような強いエネルギーを感じた。
だから心配はいらないのではないかとも思う。
今回行列に参加した子供たちを含め多くの地域の人がこの祭りを守っていくのだろうと思う。
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