2013年6月6日木曜日

<6月の放送>滝廉太郎


以前、親族の葬儀でお坊さんから「人は肉体がなくなっても、その人のことを思う人がいる限り魂は生き続ける」と教えていただきました。

瀧廉太郎ゆかりの竹田市には、国道57号線で「花」、国道502号線の岡城趾近くでは「荒城の月」が流れる2カ所のメロディーロードがあります。
車で走っていると突然メロディーが・・・初めて聞いた時は不思議な感覚になったものです。
  
瀧廉太郎が亡くなって今年で110年が経ちます。
竹田では車で通るたびに流れてくるそのメロディーが彼を思い起こさせ、彼の魂を皆さんの心の中で生かし続けているのでしょう。
 

そして、大分市の遊歩公園には西洋医学に関するいくつもの彫刻・記念碑があります。
その中で最初に作られたのが瀧廉太郎像だということをご存じでしょうか。その銅像がきっかけとなり、大分と西洋文化とのつながりが改めて研究され、あれだけの彫刻・記念碑が建てられることとなりました。
その中に「西洋劇発祥記念碑」というものがあります。そこには日本で初めて演じられたとされる西洋劇「ソロモンの裁判を願った二人の婦人」が描かれています。

そのあらすじとは−

“女性二人が同じ家に住んでいて、同じ頃に出産しました。
ところがある朝、一方の女が乳をやろうとし たら、なんと子が死んでいたのです。
「でもよく見たら、それはわたしの子ではありませんでした。この人は寝ている時に赤ん坊に寄りかかって死なせてし まったので、私が寝ている間に私の赤ん坊と取り替えたのです」というのが彼女の主張でした。
そしてもう一方の女は「いいえ、生きているのがわたしの子で、死んだのがあなたの子です。」と主張するのです。

そこでソロモン王にどちらが本当の母親なのか判断してもらおうと訴えたのです。
王は家来に剣を持って来させると、こう命じました。
「生きている子を二つに裂き、一人に半分を、もう一人に他の半分を与えよ。」 すると一方の女は「王様、お願いです。この子を生かしたままこの人にあげてください。この子を絶対に殺さないでください」と言い、もう一人の女は「この子 をわたしのものにも、この人のものにもしないで、裂いて分けてください」と言ったのです。

ソロモンはこれを聞いてこう判決しました。「この子を生かしたまま、さきの女に与えよ。この子を殺してはならない。その女がこの子の母である。」”

 あなたが王ならどうします?
 どちらかの女性の立場だったら・・・
 この演目を初めて観た人たちは何を思ったのだろう・・・

そんなことを考えながら遊歩公園を歩いてみると、大分の魅力が再発見できるかもしれませんね。

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