今回は鉄輪温泉の開祖 一遍上人をご紹介しました。
その一遍上人と温泉の恵みに感謝するのが、毎年9月21日から23日の3日間開催する「湯あみ祭り」。
温泉で清められている一遍上人像は、何となく気持ち良さそうにみえませんでしたか?
法要が行われる「渋の湯」の近くに、一遍上人が開いたとされる「旧蒸し湯跡」があり、その隣には「一遍湯かけ上人」というお地蔵さまがあります。
一遍上人がモデルのお地蔵様なのですが、具合の悪い部分を上人様に見立て、同じ箇所にお湯をかけて願掛けすると、良くなるのだとか。
私はとりあえず頭から全部お湯をかけさせていただきました。
また一遍上人が開いたとされる永福寺は、時宗のお寺では県内唯一。
堂内には一遍上人木像や上人が辿った道筋が掲げられており、「湯あみ祭り」の時ではなくとも鉄輪の歴史に触れることができるお寺です。
余談ですが、永福寺のほぼ隣に「湯あみ堂本舗」というお店があります。
創業からおよそ40年の手焼き煎餅専門店。オリジナルの柚子味噌が入った「湯あみせんべい」は鉄輪散策のお供に、そして別府のお土産にピッタリです。
さて一遍上人の伝説で個人的に思った事がひとつあります。
僧侶であるのに「神の声」を聞く事ができた一遍上人。
神様もよく僧侶に話しかけたなあと。
さすが神仏習合発祥の地 大分ですね。他の土地ならそうはいかなかったかもしれないと考えてしまいました。
なにはともあれ、今の鉄輪温泉があるのは一遍上人のおかげといっても過言ではありません。
現在も彼にちなんだ地名が数多く残されています。例えば「上人ヶ浜」は一遍上人が九州に初上陸した浜と言われており、周辺には上人ヶ浜町や上人本町などもあります。
長い間語り継がれる一遍上人の伝説。もしかしたら温泉の中で親から子へ、そして孫へと伝わってきているのかもしれませんね。